3戦目:1.茅森(+58.7) 2.山口(+19.1) 3.田中(-19.7) 4.初音(-58.1)
4戦目:1.田中(+63.5) 2.山口(+20.4) 3.初音(-30.3) 4.茅森(-53.6)
二戦合計:山口(+116.6) 田中(+24.9) 茅森(+22.1) 初音(-163.6)
第3戦の南2局で茅森の起死回生の四暗刻タンキが飛び出し、決勝は逃げる山口、追う茅森の構図が出来上がったが、序盤で山口がリードし、茅森が反撃の機会を伺おうとした時に遅きに逸している田中の攻勢がいまさらながらに始まった(笑)
この決勝戦を振り返って山口の勝因は山口の試合巧者ぶりなのか、ただ単に手牌に恵まれただけなのか、茅森の自滅か、田中の状況の読めなさなのか?ひとつ気になったのは田中の第3戦南1局のリーチ。一応親番が残っているが、以下の手牌で即リーチ。
ツモ
ドラ
TOPとは10,700点差の3着目。捨て牌は南、3筒、九萬、2筒、六萬、5筒、一萬。5筒を手出ししているので七対には見えない。対局者が「チサトさんの七対は何が当たるかわからないので怖い」と、そのリーチに威圧感を感じているようだが、七対で攻めるっていうのはリスクもあるよね。なんせタンキ待ちなのだから。相手が七対リーチだろうと思ったとき、当たったら仕方ないでカウンターを食らったら(リーチをかけた場合)これ以上危険な手役もない。田中の七対の作り方を見ていると旧態然とした「筋を可愛がる」といった牌の残し方をしていて、傾向がつかめる。(七対の傾向の掴み方については近日メルマガで書きます)まあ、七対の話をおいといて、このリーチ自体どうなんだ、と感じるものだった。南1局3着目の西家が足止めリーチをかます意味があるのかということだ。索子の複合形はドラやイーペイコが絡み、攻守にここを活かしていくべき牌形になっている。この形のままリーチにいくなら打5筒の前に打9索だろう。その辺の一貫性の無さも含め、戦略・戦術両面で際立って優柔不断な悪手に映った。リーチ後のツモは8索、8筒、4索・・・勿論それはたまたまそういうツモだっただけに過ぎない。ただ7筒をツモれて最終的に5-10のアガリだったということを、どう感じたのだろう。
その次の局に茅森のスッタンが炸裂する。茅森はTOPを是が非でも取りたいこの半荘の最後の親番を流された。(流された時点で16,000点のラス目)生半可な手ではあがれなくなってしまった。スッタンが出来たのはタマタマだ。でもある程度大きな手をあがらなければいけない、という状況にしてしまい、事実役満をあがった。山口が遊び心あふれる仕掛けをしたのが、茅森に奏功し有効牌をザクザク引いた。ドラがファン牌だったので山口としては、ドラを持っているぞと見せかけるブラフ気味の仕掛けで、局面を長引かせようという試みだったのだろう。仕掛けて(茅森に)好牌が流れたのはタマタマだ。ただ、まだあきらめていない人たちが残っている点数状況での仕掛けとしては微妙だ。山口は茅森のスッタンが出てしまった後もすかさずリー即ツモで反撃。オーラスの親番に(この半荘のTOP逆転の)望みを繋ぎ、(田中のアシストもあって)連荘するも2本場ノーテンで流れてしまい、1順位程度の差で最終戦を迎えることになってしまった。
ただ慌てず、いつものごとく先制して茅森を苦しい立場に追い込み、茅森の自滅を誘った巧みな試合運びだけが最終戦目立った。まあ序盤先手を取れるような軽い牌姿に恵まれて、後半は流していけばいいだけの楽な試合になったという側面もあったが。展開上田中が山口のアシスト役になってしまい、茅森から親満をあがり、茅森の親番で30-60を引く。それがいけないと言わないが、視聴者的には田中があがる度に、どんどん麻雀がツマらなくなっていったのは確かだ。3戦目までは鬼の形相で必死に歯をくいしばって頑張っていた初音も四暗刻放銃で緊張の糸が切れたのか、最終戦は明らかにヤル気ナシの顔(笑)見ていて不快なぐらいのレベルだったぞ。山口も後半かなりダレてて、ドラを確認していなかったのか、親番の第一打でドラを摘み上げようとして、慌てて別の牌を切り出していた。緊張感ねーなあ・・・。
田中は頑張ってこの半荘大TOPで総合2着をGET。(それがえらいのかどうかはワタシャ知りませんが・・・)試合巧者と、行き当たりバッタリな人が入った麻雀を打つとどうなるのか?そういった4人で打つ時何を気をつけなければいけないのか、という点において参考になる決勝戦だった。まあそれが「プロ」という名を冠した戦いで見なければならないのは、激しく疑問に思うところだが。
|