若さゆえ・・・苦しみ・・・。麻雀も苦しんでナンボ。若いうちから楽な麻雀を打たないスタンスを身につけておきましょう。リーチご祝儀麻雀全盛の今、テンパイまでの道程にのみクローズアップした打法ばかり紹介され、その理屈から行くと「赤入り麻雀でチャンタを狙うのはバカ」「チャンタという役を忘れた方がいい」という暴論がほうぼうで飛び出しております。自分の手牌のことばかりしか考えない、いかにもデジタルチックな思想ですよね。麻雀は対応のゲームなんですよ、対応の。楽にテンパイまでの有効枚数数えてりゃいいってもんじゃないでしょう。「どうやったらあがりやすい受けになるのだろうか」本来もっとも大切なこの考え方が欠如している人が多すぎます。リーチへのオプションが増えたことにより、皆目標はリーチをかけることになってしまっているんですよ。後は結果は神のみぞ知る、みたいな。デジタルとかいって最後のツメの部分は神頼み(=オカルト)かよ!って筆者は思わずツッこんじゃうんですけどね。筆者は麻雀をアナログなものと捉えてますが、デジタルより正確な読みを目指す、スイス製高級時計のようなアナログ麻雀を標榜しています。もちろんアナログだから誤差はありますが、その誤差が気にならないほど愛しい時計、みたいな麻雀を打ちたいと思ってます。(よく判らない例えでスマソ!)
チャンタ・・・ペンチャン、カンチャンをなかなか引けず手牌が前進しない形、両面があれど4,6引いたら逆に嬉しくない。ゆえに配牌でチャンタ系の手が来ると「ついたてない」とのたまう一般雀士たち。
筆者はチャンタが大好きです。その兄貴格のジュンチャンも言わずもがなです。チャンタくさい配牌が来ると「ついてない」と思うより、「よーし、やってやる!」という気持ちになります。手牌がなかなか前進せず、苦しみながらチャンタを目指している時の有効牌を引く瞬間に、麻雀を打っている醍醐味すら感じます。大好きなサンショクと複合しやすいという理由もありますが、それ以外に実はチャンタ、いろいろなメリットもあるのですよ。
チャンタはテンパイまで手をまとめるのが大変な役ですが、意外とテンパるとあがりやすい役です。自分に端牌が入っているということは他家にタンヤオ牌が集まっているでしょうから、端っこや字牌の待ちはあがりやすくなります。無論ツモあがり全能麻雀にあって「出アガリ」に重点を置くチャンタは損な役に思われがちですが、そうそうツモあがりばかり目指していられないと思うんです、麻雀は。むろんリーチはツモあがりを基本目指すものですが、オプションとして出上がりもしやすい待ち、ということになればアガリれる確率も高まると思うのです。なんといっても現在の赤入り麻雀の場合、2と8はあふれるように場に切られる牌です。カン2、カン8の待ちが多くなるチャンタにあっては、これを狙い打てるのです。なぜ2と8があふれ出るかって?中盤以下のような形で完成面子を持っていれば人間の煩悩に従えば入れ替えるでしょうが。
ここに
ここに
たとえチャンタ者がリーチをかけて、5が現物であったとしても一般煩悩雀士は「スジ!」と叫んで赤と入れ替えてくるものです。祝儀の欲望には勝てないのです。下記の形からもひっかけより赤のツモに期待をかける人が多いでしょう。したがって赤入り麻雀では2・8は時期に関わらず終盤でも割と飛び出しやすい牌なのです。
打
2,8だけでなく尖牌(3,7)も数年前に比べて価値は暴落してます。昔は3,7は重要な牌でしたけど。「ペン3」「ペン7」の待ちも捨てたもんじゃありません。
この形、昔より5筒を持つタイミングが長くなってます。赤があるので当然ですよね。その副産物として、狙い通り赤を先に引いた場合、その後に3を引いたら不要牌になるのです。
前はこれ5筒を早めに処理するケースが多かったのですが、その場合ですとペン3に放銃するケースが減り、その時代の風習として「3,7では待つな」「尖牌はなかなか場に顔を見せない」といった迷信が今でも喧伝されていおります。(その受け入りで常に危険な3をつもっても必ず手牌に組み込めるよう5を早く処理するという意味合いもあったのですが)自動卓の習性的に暗刻場になる可能性が高いわけですから上述の455の形も5が暗刻になるケースは多いはずです。ゆえに後引きの3にどうにも対応できず、赤を持っていて攻めっ気充分になっている精神面も手伝って、他家の動向への視線が疎かになり、3がこぼれやすいのです。もちろん7にもほぼ同じことが当てはまります。現代雀士は5が昔の雀士より危険な感覚を持っているのですが、反面3と7に対する感覚が麻痺しております。
むろんだからといってチャンタが得、みたいなところまでは論は発展しません。唯、この辺の感覚が麻痺している方にとっては刺激のある項だったのではないでしょうか。自分の手牌中心にしか打てない連中が増殖しているのです。5が暗刻になってるから3,7を「カベ!」とか言って打ってくる奴から「ク、ク、ク」と言いながらチャンタをあがってあげましょう。赤5を引いて入れ替えて現物の5ではなく2,8を「スジ!」とか打ってくる奴に「ごちそうさん」と言いながらチャンタをあがってあげましょう。勝ち組を目指す皆さんはこういう落とし穴もあるのだということを肝に念じて、チャンタくさい相手へはきっちり対応してください。そして「チャンタは損」という固定観念を捨ててチャンタを狙ってみてください。新しい麻雀ワールドがそこには広がっているかもしれません、決して誇張表現ではなく。
|