マンセンゴ.NET>勝ち組への転換>他の競技のプロを見習い強いアマを目指す



  すごいなあと思うのは、サッカーの市立船橋高校です。ここ数年全国高校サッカー選手権やユース選手権と何冠にも輝く高校サッカーの名門校で、四日市中央工業の「四中工」(よんちゅうこう)という略称が全国的に一般化したのと同様、「市船」(いちふな)で通用するようになってきてしまいました。そして昨年末の天皇杯では元日本代表GKの小島やサントスを擁するザスパ草津、大学選手権を制した阪南大を次々撃破し3回戦進出、そしてよもやのJリーグチャンピオンの横浜Fマリノスに引き分けですからね・・・。今年のチームに限らず、前から思っていたのですが、この学校イケメンのスター選手が多くて、なおかつ組織型守備の欧州風の洗練されたサッカーをする(高校生レベルではいろいろな面で)反則なチームと思っていたのですが、まさかJリーグのチャンピオンチームと互角に戦うとは・・・実際の漫画でも気恥ずかしくて書けないくらいのキャラとストーリーを抱える漫画チックなチーム(学校)です。そこで気になったのはサッカーのプロとアマのレベルの差ですよね。垣根は相当低いのではないかと思っちゃいました。確かに横浜は日本代表組が休んでいたけど、市船も後半主将の守備の要・増嶋を退場で欠いて10人になってましたからね・・・。これでPKで辛勝ってシャレになってないような気がするのですが。
 筆者が持っている「雀士の兵法」(白井宇一著・池田書店)には麻雀のプロとアマに関して興味深い記述があるので要点をご紹介しましょう。(昭和50年頃刊行)

・誌上のプロ(麻雀タレント)は相当な打ち手だがプロとアマの差は一に相撲、二に将棋と言われてるが、これらに比較するとプロと言い切るのは疑問である。
・麻雀をメシのタネにしている巷のプロはその点ではプロっぽいが、お客さんを失わないようにするため、自分をカモに見せ、実際時には負けて見せる。
・こうしてみると麻雀に真のプロなんていないことがわかる。だから麻雀以外のプロから、勝負に共通する感覚を学び身につけて、強いアマチュアになれば本来の職業と両立するし、確実に収入があるので、一番得である。

と三段論法でまとめています。昭和50年代のシーンと現代でも麻雀プロに対する一般的認識に差異はほとんどないと言って差し支えないでしょう。で、このあとゴルフのプロや棋士などを例にあげて踏み込んだ記述を書かれております。プロの棋士は盤面変化と定石を漏れなく記憶しているので、瞬間的にその局面における差し手が何通りか浮かんできて、その後細かい検討に長い時間を費やすのです。勝てる雀士を目指す我々もこれが必要であると思うのですが、かなり長い時間をかけて努力しないと醸成できない能力だとも思います。

  さて下記の牌姿で何を切るか考えてみましょう。「状況は?」と聞く前に、むしろ自分で状況を設定してこういう場合ならこれを切る、と想定してこうした問題は解くべきでしょう。というより極論を申し上げると実戦の中でこうした手牌に出合って何を切って、どのような結果に終わったかを蓄積していくより他ないと思います。

  ツモドラ

 上記も実戦での筆者の遭遇した手牌なのですが、ヨレヅモというべきなのか、フォローのために来てくれた牌なのか微妙なツモです。ある最終形を描いている最中にやってくる若干歓迎しないツモ。それがイーシャンテンからテンパイになる牌の場合、大方テンパイに受けるのでしょうが、イーシャンテン変わらずで受ける牌の変化となると、対応もこれまた微妙です。ちなみに筆者はテンパイとらずのかなり多い打ち手なので、たまたま来た牌によるテンパイを受けるかどうかの選択は現在の手牌推移の研究課題です。よく「テンパイとらずは温い」という格言を聞きますが、筆者は「テンパイ取るは温かった・・・」という局面が実戦で何度もありました。「テンパイ」に受けたため、その後のツモに対応できずあがりを逃すケースもあるわけです。むろん中盤以降の1巡の重要性は肌身で理解しております。平面上の解答や押し付けられた格言など実戦ではクソの役にも立たないでしょう。
 ただシャンテンの段階での受けの変化に関しては、次のツモに柔軟に対応する手筋をほぼ採択しております。ゆえに上記の手牌は3索を打つケースが多くなります。これは5索と7索、あるいは3索の引く確率・感触(役ナシテンパイとなる3索受けを残す場合のリーチの可否)の比較になるのですが、経験則上は7索を引くケースがかなりあります。これは「イーペイコのさばき」のところでも書けるネタなのかもしれませんが、実戦でこの7索引きによるテンパイ逃しほど痛いものはありません。索子の真ん中が安い、2人以上が上の三色に準拠した手である、3索が打ちづらいetcの付帯状況がない限り3索打ちで7索引きのフォローを忘れません。
 この場合勘良く7索引きでテンパイした時の切り出しは3索、4索の手出しとなり、下記のテンパイとなります。一応6-9索引きでイーペイコへの振り替わりもあります。

 

 上のような形で索子のダブルメンツを尖牌-その内側の牌の順で手出しで嫌って、イーペイコの崩れた索子3面子確定のアガリ形を見せる打ち手は、筆者のようなセンシビティなシュンツ系の打ち手です。切り出しでシャンテン時の手牌推移まで推し量れるわけです。
 8索、しくった7索ツモ切り、9索と打ち出す手順で首尾よく下記の手をあがっている打ち手と比べて、年季やセンス或いは定石の理解度が違うことがわかります。(アガリ点は高いけどね・・・)むろん7索を引かず、2-5索をダイレクトに引くことも当然あるでしょう。しかしそれは失敗というほどのビハインドになるものではないと思うのです。

 

 どんな切り出しで何があたるか?などと直線的に考えず、自分の手牌の進行における手牌推移の蓄積こそ、ゆくゆくは相手のアガリ牌・形の推理がじょじょに出来てくる下地になると思うのです。つまり将棋にあてはめれば盤面変化と定石の記憶の作業にあたる部分です。平面的にただ捨て牌を見て、アタリ牌を絞り込ませる出題をみかけますが、ナンセンスといっていいでしょう。結局打ち手の力量・年季・シュンツ系なのかトイツ系なのか・信仰している流派や著者・雀士の麻雀における思想etcによって同じ捨て牌でも手牌の形はまったく違うでしょうし、同じ手・ツモを与えられても手牌の手牌推移自体違うのです。この部分の読みが将棋にあてはめれば盤面変化と定石を一瞬に読み込んだあとの細かな局面の検討の部分でしょう。結局麻雀には年季(それに伴う理論の構築)が絶対不可欠で、これを補うものは打荘数しかないでしょう。これも心を入れて真剣に打った打荘の数で、勝って得るものなく負けて痛みを伴わないネット麻雀の経験がこの打荘数に組み入れられるかどうかは筆者は懐疑的です。(本人的に気を入れても相手がいい加減だと効果は半減することでしょうから)
 実戦で8索を安易にツモ切って7索引きに対応できず負けて悔し涙に暮れた日々。汗と涙に暮れて手牌・場・相手と格闘した日々とその復習の学習のみが強くなるための一本道と信じております。
 雀暦数年で本当に強くなるなんて甘いものじゃないと思うし、ある程度麻雀もプロになるためには養成・研修期間は必要なんじゃないかと思います。半年とか1年程度じゃなくてね。Jリーグも小学生やユース世代のチームも抱えている上で才能のある人物だけ、トップチームの選手になれるわけですから。将棋も確か全国の俊英が集まる奨励会を勝ち抜かないとプロになれないようですし。で多分アマチュアだけど市船の練習量や選手層の厚さはJのユースチームと比較しても負けてないレベルだから、あれだけ強いのではないかと思います。結局強い人・チームはすごい努力をして、厳しい生存競争を勝ち抜いているのでしょうから。我々も市船のようにプロと互角に戦える強いアマを目指しましょう!

  この「勝ち組の転換」がスポーツの話から強引に麻雀に置き換えて引用しているわけは、筆者が野球をはじめとするスポーツが好きなことも理由にあるのですが、この「雀士の兵法」の「他の競技のプロを見習う」という部分の影響を受けているわけです・・・。


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