客A「マスター、この場合どうなるんだっけ?ポンがはいったらダブリーかけられないんだよね」
マスター「はい、そうです」
客B「そうなんですか」
客A「この店はそういうルールなんですよ」
マスター「この店以外もみんなそうです」
一同(爆笑)
雀荘で待っているとこんな会話を耳にしました。
マスター「うちのルールは業界最先端なものですから。そこらへんの田舎雀荘のルールは通用しないとおもってください」とマスターが鼻高々に言いました。筆者は待っていて退屈だったので、筆者が体験した他の店のいろいろなルールを元に、ルール談義をしました。
その店が唯一最新の流れから逸脱していると思われるのが、赤牌の種類です。赤5筒が2枚入っているのですが、今の主流は赤各1枚であることは明らかです。これは赤1枚増やすことによって実質レートがあがることを防いだようです。確かに赤が1枚増えればご祝儀の比重も高まるわけですから、懸賞牌の増加≠レートの
増加と捉えて間違いないでしょう。
赤5筒で有名な大手チェーン店も最近は各1枚づつ入れるルールに切り替えている店舗もあるようです。
そもそもルールはお客さんに公平に打ってもらうために設けられるものです。しかしお店側としては公平を期すこと=実力差が反映した結果に終わりやすい麻雀になることは極力避けなければならないのです。弱い人・初心者にも勝つチャンスを与えることによって、リピーターになっていただく、という要素があるのです。強い人がどんどん新規の客を破っていくだけの店にしてしまっては営業が立ち行かなくなるでしょう。なので雀荘側はお客さんが多く来て卓がたくさん立ち、強い人ばかりがいる状態を早く脱せねばならないのです。
その副産物が赤牌の存在です。赤を入れることによって打撃戦になり、卓の回転が早くなるという営業理由もあるのでしょうが、それ以外にもこれをアガリ役にまで高めて初心者が手を作りやすくする助けにしたり、祝儀にすることによって着順とは別の要素で勝つ可能性を盛り込んでいるのです。ビギナーズラックでその日赤が集まって勝てることもあるでしょう。雀荘側のねらい目はそこにあります。まあ長い目で見ると「赤」の女神も必ず実力者に微笑む仕組みになっておりますが・・・。ただ負ける側も普段コテンパンにやられる印象を和らげるのに役立っているかもしれません。ギャンブルの負け組の醍醐味は数少ない鮮烈な勝ち方を、永遠に語り継ぐことで間違いありませんから・・・。赤はその扶けとなっていることでしょう。これさえあれば負けてもお客さんは又店に来てくれる・・・赤の登場は雀荘側にとって救世主であったことでしょう。
いまや赤の入っていない雀荘を探すのが困難なぐらい普及しているわけですから。
赤牌の数や祝儀の種類で風速の実感値が変わってくると書きましたが、具体的には赤2枚(ないても祝儀)<赤2枚(ないても祝儀&役)<赤3枚(メンゼンのみ祝儀)<赤3枚(ないても祝儀)<赤6枚、祝儀の額が同じであればこんな序列でしょうか。
なく=技術ですからないても祝儀がつくのは納得いきますが、面前のみ祝儀は技術的な介入余地が低く、あきらかにリーチ全能、リーチ対なきのめくり合いはリーチの方が勝負の価値があるのです。むろん本来の「ご祝儀」という意味合いは偶発的出来事に対する返礼ですから、そこに技術的な話を持ち込むのはお門違いなわけですが。
むろん強い人側から見ても赤牌の多寡はマギレの要素充分ですから、その日勝ちきれなかった要因として、祝儀負けがクローズアップされる日もあるでしょう。本当の強者は1回の祝儀における負けなど別に気にも留めません。普段は逆にそのおかげで本来の麻雀より多い勝ちを手に入れているケースも多いのですから。赤があると勝ちにくいと思っている人は多分「うまい」けど勝てない人でしょう。ルールに則した打ち方が出来ていないわけですからヘボと大差ない「うまさ」ですけどね。そういう人のためにも赤に祝儀がつかないお店とかも探せばありますから、そういうお店を選べいいでしょう。ルールを見てお店は選べるわけですから、勝てないルールで延々とやって、ルールが悪いとほざいて負け続けている人は店を替えればいいだけの話です。
ホームページなどでルールを公開している行ったことのない雀荘も、この公開されているルール表から雀荘に集まる客層・レベルがおぼろげながら見えてくるのです。勝負にコクを求めて、マギレの少ないルールを採用する店を求めれば、やはり強者(あるいは強者になるポテンシャルの高い人)が集まる店になるでしょう。懸賞牌の価値を高めれば高まるほどビギナーや弱い人の層の比率は高まるでしょう。しかし麻雀の持つ理不尽さもより多く感じることも出来るので、(勝ちやすいかもしれないが、)精神的にこういった店を受け付けない人もいることでしょう。強い人に揉まれたいのなら前者でしょうし、このホームページの主旨を照らし合わせると後者に行き着くでしょう。この辺は店の経営理念や経営者の性質などからも推し量ることができます。最終的に店は自分の店のマーケットサイズを客観的に判断せざるを得ない時期がやってきます。今のままのルール・客層がエリアマーケティング的に適っているかどうか。無論ここに到達する前に潰れる店も多々あるでしょう。ある程度事前調査をしているのでしょうが、客層は開店してみないとわかりません。しかしルールでバイアスをかけることは可能なはずです。にも関わらず、この客層に合わないルールを独り善がりに採用していて、客層とのミスマッチを起こしている店のなんと多いことか!むろん通う側は別にそんなことを気にしなくてもいいわけです。しかし経営側の意見を聞いてみると面白い発見があるかもしれませんよ。それが勝つコツに繋がるかもしれませんし。
経営側の営業方針・戦略・ルールの設定秘話。そこに充てこめられて通うお客さんの客層。それを繋ぐ誰にも見えない糸を発見した時、その店の勝ち頭になる要素充分じゃありませんか。
難しいこと考えず、自分にあっていると思われるルールの店を何軒か発掘し、平行して何回か通って成績をつけながら客層を分析して、一番勝ちやすそうな店に行けばいいでしょう。
その上のステップとして上記のことを実行して考察していければ、雀力とか戦術とかの、もひとつ上のレベルで勝つことを考えられる人になっていることでしょう。
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